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1999: Super Deluxe Edition /
1999:スーパー・デラックス・エディション

1999 スーパー・デラックス・エディション

初のリマスターで蘇った名作と未発表曲群
オリジナル版「1999」の解説はこちら

 

Disc One

1999」と同様

Disc Two

シングルやプロモ・バージョン、それにいくつかのB面曲集が収録されています。個人的には短いバージョンは要らないし、ましてやモノラル・バージョンなんてマニア以外の需要無いだろうと思うのですが、このスーデラ自体マニアに向けたものということを忘れてました。

  1. 1999 (7' stereo edit)
  2. 1999 (7' mono promo-only edit)
  3. Free (promo-only edit)
  4. How Com U Don't Call Me Anymore? (1999 B-side)
  5. Little Red Corvette (7' edit)
  6. All The Critics Love U In New York (7' edit)
  7. Lady Cab Driver (7' edit)
  8. Little Red Corvette (dance remix promo-only edit)
  9. Little Red Corvette (special dance mix)
  10. Delirious (7' edit)
  11. Horny Toad (Delirious B-side)
  12. Automatic (7' edit)
  13. Automatic (video version)
  14. Let's Pretend We're Married (7' edit)
  15. Let's Pretend We're Married (7' mono promo-only edit)
  16. Irresistible Bitch (Le'ts Pretend We're Married B-side)
  17. Let's Pretend We're Married (video version)
  18. D.M.S.R. (edit)

Disc Three

  1. Feel U Up
    お蔵入りになったあと、幻のアルバム「Camille」に収録されかけて流れ、最終的には「Partyman」のB面曲としてリリースされた曲の初期バージョンです。曲自体はお馴染みですが、このバージョンは曲調がファンキーというよりドラッギー。最初はファルセットで歌われますが、徐々に地声とシャウトにシフトしていき、後半は扇風機の前でやる「我々は~宇宙人~だ~」的なボイス・エフェクトまで。

  2. Irresistible Bitch
    前曲とシームレスに繋がります。こちらはシャウトっぽいしゃがれボーカル。こちらも「Let's Pretend We're Married」のB面曲としてはすでに公知のものですが、世に出たバージョンはボーカルがかなり抑え気味でクールなので、対照的で面白いです。この辺は正直、世に出たバージョン(プリンス公認)の方が良い感じのような気はしますが、バージョン違いを楽しむというのはブート的な趣。今回の未発表曲集は、こういった別バージョン系が多いというか半分弱を占めます。
     
  3. Money Don't Grow On Trees
    えらい軽妙な曲調におやっと思います。歌詞は確認していませんが、タイトルは「金の生る木なんか無いよ」的な感じでしょうか。小ぶりな感じは否めませんが、箸休めとしては悪くない。プリンスって、時々こういう曲作りますよね。アルバムに入れなくて正解でしたが、意外と「20Ten」あたりに入ってても違和感が無いかもしれません。
     
  4. Vagina
    なんちゅうタイトルでしょうか。「Sexy MF」を大声で歌える日本人ですら憚られる単語。その昔、ヴァニティをヴァギナと命名しようとして全力で拒否されたエピソードを連想するのもそのはず、選曲を担当したマイケル・ハウによるとこの曲はヴァニティに提供される予定だったとか。ヴァニティ6向けの曲なら納得…という感じの軽い小手調べ曲といった感じです。
     
  5. Rearrange
    淡々と刻まれるベースにギターのリフが乗る構成。これは相当格好良いですね。個人的には今回の未発表曲の中の5本の指に入ります(←絞りこまないやつ)。「リアレンジ」とはプリンスに相応しい単語ですが、自身のイノヴェーターとしてのイメージを大事にし、アレンジャーとして矮小化されることを嫌った結果、お蔵入りになったのかな…と勝手な妄想を膨らませます。
     
  6. Bold Generation
    後に「Grafitti Bridge」収録の「New Power Generation」(以下NPG)に生まれ変わる曲です。タイトルは違いますが、曲はそのまんま完成されています。元々好きな曲ですが、この初期バージョンも相当渋い。「NPG」のように前面にワーッと押し出す感じではないけど、一歩引いたスタンスが超格好良いです。むしろ、個人的にはこっちのバージョンの方が好きかもしれないです。これを今作で選曲を担当したマイケル・ハウのインタビューによると、マスターテープが無くてカセットから収録されたようです。音がえらいペラいと思ったらそういうことでしたか。
     
  7. Colleen
    インスト曲。ライナーによると、レコーディング・エンジニアのペギー・マクリアリーのミドル・ネームだそうです。録音した曲のタイトルをどうするの?と聞かれたプリンスが「君のミドル・ネームは?」と逆質問。Colleenだと答えると「じゃぁそれで」となったそうです。どんだけ幸せ者なんでしょうか、ちょっとジェラシーが止まりません。
    聴けば分かる通り、延々と続く曲のベースのアイデアだけです(それでも十分ファンキーですが)。他にも良い未発表曲があるのに、あえてこういう未完成の曲を入れたことに選曲者の意図を感じます。要はプリンスのサウンド・プロダクションを垣間見せるのが目的なんでしょうね。そう考えると、沢山のバージョン違い収録も頷けます。
    それはそれでいいんですが、「Lust U Always」と「Xtraloveable」を外したのはどういう了見なんだと、個人的には思います(しつこい)。
     
  8. International Lover (Take 1) [Live in Studio]
    先行シングル的な扱いで公開された、「International Lover」の別バージョン。驚くべきはファルセットではなく地声で歌っていること。当初はザ・タイムに提供する予定だったということでモーリス声を意識したのかもしれません。もしこれがタイムの曲だったら、「Originals」にプリンスのバージョンが収録されていたかもしれません。いや、取り上げて正解ですけど、この歌詞のアホっぽさ(良い意味で)はタイム想定だったのかと思うと感慨深いです。モーリスのドラムと、プリンスのピアノだけで録ったデモのような感じで、後半にプリンスが思わず歌詞の内容?に失笑しているのが貴重です。モーリスが変顔で笑わせにかかっていたのかなーなんて場面を想像してみたり。
     
  9. Turn It Up
    Dirty Mind」「Controversy」あたりの作風が顕著に見られる、ファルセットで歌われるアップテンポの曲。ファンジン「UPTOWN」の別冊でデータベース本のタイトルにもなったり、2000年にペイズリーパークで行われたセレブレーションで「Crystal Ball 2」収録曲のファン投票で選ばれたりした、マニアにはお馴染みの曲の一つですね。
     
  10. You're All I Want
    初期プリンスが好んでいたロカビリー風味の曲。ファルセットで歌われます。なんというか、とにかくハッピーな曲です。50年代の古き良きアメリカでロカビリーダンスする若者が目に浮かびます。あっさりストレートといった感じです。
     
  11. Something In The Water (Does Not Compute)
    本編「1999」に収録された同名曲のドラフトとも言えるバージョン。サウンド・プロダクションがシンプルかつ有機的で、アルバムバージョンよりも哀愁が際立っているように感じるから面白いですね。ピアノも美しい。ここから更に「変」さを加えていって、孤独と軽い狂気に磨きをかけて進化していくと思うと感慨深いです。美しくて、切ない、宝石の原石。
     
  12. If It'll Make U Happy
    誰かに提供しようとして作ったのかなと勘ぐってしまうほど、プリンス「らしからぬ」曲調ではありますが、中々にキャッチーなメロディで聴きやすいミドル・テンポの曲。密かに名曲のポテンシャルを湛えている一曲。
     
  13. How Come U Don't Call Me Anymore? (Take 2)
    またもやバージョン違い。こちらはB面曲として世に出た人気曲ですが、このテイク2はサウンド自体が素朴で、少しだけタメを変えたり若干雰囲気が違います。しかし、こんなテイク違いを収録するとは、選曲者は変態なのかな?(誉め言葉)

Disc Four

  1. Possessed (1982 version)
    Purple Rain Deluxe Edition」にも収録されましたが、こちらは制作年代が少し古いバージョン。装飾が多いあちらに比べ、こちらは比較的オーガニックかつストレートな作りになっています。どっちが好きかと言われると、正直迷いますね。これは気分で聴き分けるのが吉かと。
     
  2. Delirious (full-length)
    はい、そのままです。「1999」はそれぞれの曲が長いんですが、この曲も長かったんですね。音楽をやり始めたプリンスを指して「放っておけば延々とジャムをする」と評してまとめ方をレクチャーされた方がいましたが、やはりプリンスの真骨頂の一つは、長さとしつこさ(笑)長くても退屈しないどころか、どんなギミックが入ってくるのか気が抜けません。短いバージョンと長いバージョンがあれば迷わず長い方を取るファンの方も多いのではないでしょうか。実は私は「Delirious」はそこそこ好きという程度だったんですが、このロング・バージョンのおかげで自分的ランキング急上昇。かなりハマってしまいました。
     
  3. Purple Music
    個人的には本作のハイライトです。「マリファナもコカインも要らない、パープル・ミュージックは同じぐらい効くんだ、ハイだ、とてもハイだ」と歌われる歌詞はまさにプリンスが終生変わらず持ち続けたアティチュードそのものだと思います。ドラッグでハイになっている連中を見て、アホみたいだから自分はああはなりたくないと発言し、常に音楽に没頭し続けたプリンス。彼はエンドルフィン・マシーンでもあったし、音楽に対して誰よりストイックでした。才能の無さを薬で代替したり快楽に溺れたりする輩とは根本的に異なっていたんでしょうね。
    さて、曲ですが11分ほどあり、一聴するとひたすら繰り返される単調な曲なんですが、そこはプリンス、癖になるグルーブに乗せつつ変化球のサービスは忘れません。プリンスの最後のツアーとなった、Piano & Microphoneツアーで急にこの曲を弾き語りのレパートリーに加えたことは記憶に新しいです。
     
  4. Yah, You Know
    なんとも耳の残る"Yah, You Know"という能天気なフレーズが印象的です。そんなに好きじゃないけど、いつの間にか口ずさんでるという感じ。そして気付けばお気に入りの曲になっているのかもしれません。
    "Yah"はミネソタ訛りだそうで、タイトルにもなっているフレーズは、ミネソタ人の話し方をネタにしたものだそうです。とある地元人からインスピレーションを得たとのこと(OneHさんのブログで教えていただきました!)。
     
  5. Moonbeam Levels
    4ever」で初お披露目となった、とても儚くて美しい曲。プリンスの歌詞の中でも抒情的な描写という意味では抜きん出ています。このスーデラに収録されるのがあるべき姿であり、今となっては「4ever」の収録が浮いており中途半端に思えます。関係無いですが、この曲がカラオケにあったときにはびっくりしました。どういう基準なんだろう?
     
  6. No Call U
    またもやロカビリー。これだけ露出されると「あんたも好きね~」となりますね。最終的にアルバムに収録されたのが「Delirious」のみだったのは正解だったと思いますが、こういう企画もので聴くのはまた良いですね(殿下ごめんなさい)。他の曲も同様なのですが、単純にノリが良く楽しめる曲が多いです。
     
  7. Can't Stop This Feeling I Got
    後に生まれ変わり「Graffiti Bridge」に収録されることになる曲。舌足らずなボーカルがやけに印象的ですが、誰かを意識したのかな?(「Originals」を聴いてから、こういう発想が抜けない)グラブリ版は綺麗に料理され直されているんですが、こちらのバージョンの方が引っかかりは多いかもしれません。しかし、個人的には「これ必要だった?」と思うのです。
     
  8. Do Yourself A Favor
    クレジット上は、ペペ・ウイリーとジェシー・ジョンソンの共作となっていますが、「Symbolic Beginning Vol.2」に収録されているペペ・ウイリー作の「If You See Me」が原型。ジェシー・ジョンソンのアルバム「Shocakadelica」にもこの曲とほぼ同じアレンジのバージョンが収録されています。ブートでは知られていた曲ですが、100%プリンス作ではない本作を収録するべきだったのかな~と思うところではあります。
     
  9. Don't Let Him Fool Ya
    アルバム発売に先立って、セカンドシングル的に音源が公開された曲。"Hey hey, hey hey..."というフレーズがやけに頭に残ります。この曲は手直ししてリリースした可能性が高いんじゃないかなと、根拠無く感じている今日この頃。
     
  10. Teacher, Teacher
    一度聴いたら"Teacher, teacher"というフレーズが頭に残ること間違い無し。レボリューション期の音の特徴があるのが不思議ですね。何を歌っているのかなと思ってタイトルとlyricで検索するとAKB48の同名曲が出てきてズコーッとなりました。気を取り直して歌詞を調べると、ドラマ「高校教師」ばりの世界感に赤面。って、若い人は知らないですね…。
     
  11. Lady Cab Driver / I Wanna Be Your Lover / Head / Little Red Corvette (Tour Demo)
    本作で最も異質な曲と言えるんじゃないでしょうか。ツアーの流れをメンバーに共有するために作った「ツアー・デモ」とのことです。普通に格好良いメドレーとして楽しめてしまうんですけど。

Disc Five

1982年11月にデトロイトで行われたライブの音源です。映像の方には収録されていない「Little Red Corvette」がしっかり入っています。

  1. Controversy
  2. Let's Work
  3. Little Red Corvette
  4. Do Me, Baby
  5. Head
  6. Uptown
  7. Interlude
  8. How Come U Don't Call Me Anymore?
  9. Automatic
  10. International Lover
  11. 1999
  12. D.M.S.R.

Live In Houston - December 29, 1982 (DVD)

ラストはDVD。1982年12月にヒューストンで行われたライブ映像です。「Purple Rain Deluxe」に引き続きライブ映像の収録は嬉しいですね。特にこちらはブートでは出回っていましたが公式として出るのは初めて。そこまで画像は綺麗ではありませんが、ブートに比べると勿論雲泥の差です。

  1. Controversy
  2. Let's Work
  3. Do Me, Baby
  4. D.M.S.R.
  5. Interlude
  6. Piano Improvisation (Contains Elements of "With You")
  7. How Come U Don't Call Me ANymore?
  8. Lady Cab Driver
  9. Automatic
  10. International Lover
  11. 1999
  12. Head (Contains Elements of "Sexuality")

 

 

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