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Graffiti Bridge / グラフィティ・ブリッジ

Graffiti Bridge / グラフィティ・ブリッジ

映画はさておき、名曲が収録された隠れた名作

 

  1. Can't Stop This Feeling I Got
    軽快なロックです。映画と連動しているということで、「Let's Go Crazy」を意識したのかどうかは分かりません。作られたのは「1999」の時代で、時間差リリース。プリンスに関しては珍しいことではないですが、今作はとくにそのパターンが多い気がします。

  2. New Power Generation
    90年代以降のプリンスの作風が顕著な、アッパーな曲。「お前のファンキーな武器を降ろせ」「俺達は新しいパワーの世代」上手く訳せない語群が、何とも力強い。"NewPowerGeneration"は、以降のプリンスのキーワードになります。歌詞も挑戦的で、宣言的な内容です。十分格好いいですが、これの元ネタとなった「Bold Generation」もさらに格好良過ぎです。

  3. Release It
    ザ・タイムが歌います。映画ではプリンスの声のサンプリングが強引な展開で使用されてます。ちょっと笑えるところなんですが、そこは御愛嬌。モーリス節が生きてます。

  4. The Question Of U
    歌い出しの部分、シャンソンの「枯葉」に似てるような気がするのは私だけでしょうか?それは置いといて、非常に美しい曲。ここまで哀愁に浸った曲も珍しいです。真剣に聞いていたらこみ上げてくるものがあります。ホリー・コールもカバーしていますが、オーソドックスな名曲という感じに仕上がっています。こちらも必聴かと。

  5. Elephants & Flowers
    カミール系ファンクの昇華型といえる曲でしょうか。ボーカルが今までに無かったようなガラガラ声スタイル。尖っているけど丸いような、そんな感じです。丁度、この時期のプリンスらしい、過渡期の良さが出てるような気がします。個人的には難解で、好きになるまで時間を要した曲です。映画の中でも「一般受けしない」曲として演奏されています。

  6. Round And Round
    テヴィン・キャンベルが歌うナンバー。映画の中では唐突に路上で歌うという雑な台本で少々気の毒でした。素敵な曲だと思いますが、できればアルバムはプリンスだけで固めてほしかったのです。

  7. We Can Funk
    一転、かなり格好いいファンクです。ジョージ・クリントンとのデュエット曲で、粘着質系。下からこみ上げるようなグルーブが渋いです。個人的には、このアルバムのハイライトです。これの元ネタは”Funk"の部分が”Fuck"となっていましたが、スピリチュアルがテーマの今作にあたって書き換えられた模様。

  8. Joy In Repetition
    前曲と繋がっています。前の曲の余韻が冷めやらぬ喧騒の中、曲が始まる展開は"Lovesexy"風ですね。不思議な引力を持つバラード。奇妙な旋律に、地声のまったりとした粘着質の声が乗ります。始めの語り口調から、どんどんと高揚していくパターン。一度ハマってしまえば麻薬のようにクセになること請け合い。

  9. Love Machine
    タイトルは、モーニング娘の方が有名になりましたね。ファミリーにまで守備範囲を広げていない私としては、まぁまぁといった感じ。こういう曲群が混ざっているのが、このアルバムの良さでもあるんでしょうけど。「Purple Rain」の時みたいにプリンスと他のアーティストをキッチリ分けてもらえれば、今作が今以上に名盤と言われていたと思います。

  10. Tick, Tick, Bang
    変わった曲調です。ちょっとフザケたような感じかな。ただ、音の違和感があって、かなり耳馴染みは悪いですね。これも好きになるまでに、かなりの時間を要しました。「Elephants & Flowers」同様、皆に理解されない曲として映画の中では演奏されていました。

  11. Shake!
    ザ・タイム再び。彼ららしい、能天気なナンバー。悪くないです。このアルバムは、本当に特殊です。複合アーティストによるサントラに徹してるんでしょうけど。

  12. Thieves In The Temple
    綺麗なミディアム・テンポの曲。シングル・カットされて、イマイチ伸びなかったらしいです。良い曲ですが、売れ筋狙いとしては不発気味ですね。中途半端にコマーシャルだったのかな。個人的には、ストイックな感じが割と好きです。コーラスの重なり等は心地良い響き。これも過渡期プリンス的な曲ですね。

  13. The Latest Fashion
    三度目のザ・タイム。このアルバム中では一番ダンサブルに仕上がってると思います。まんまストレートではなく、独特のつっかかりがあります。全体的にそうなんですが、この時期のプリンスのサウンドの特徴でしょうか。

  14. Melody Cool
    メイビス・ステイプルが歌います。ソウフフルな歌声もいいし、そこそこ好ナンバーです。メイビス好きにはオススメ。

  15. Still Would Stand All Time
    民謡の「月の光」に似てるバラード。プリンスにしては珍しい作風。不思議な美しさがあります。暗いというか、「怖い綺麗さ」みたいな感じがあります。よく聴くとスピリチュアルなんですが。コーラスはゴスペルっぽいです。

  16. Graffiti Bridge
    仰々しい感じすらする、ドラマチックな曲。ちょっとやりすぎ、ぐらいの感じで。メンバーが入り乱れて参加しています。ところで、プリンスの言う「グラフィティ・ブリッジ」が、ジャケットに写っていたものだとすると幻滅するので見ない方が吉です。

  17. New Power Generation(pt.Ⅱ)
    フェードインしながら、お祭り騒ぎが始まります。サビのリフレインに乗っかってT.Cエリスのラップが入ります。あまり評価されていませんが、個人的には好きです。その合間に"Love Left, Love Right"という曲が挿入されているんですが、とても印象的。リミックスEPに同曲が収録されているので、興味のある人はぜひ。

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